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交渉を成功に導くたった1つの秘訣を聞いてみた

先日、交渉学を専門とする大学教授とお話をする機会を得た。交渉学と聞いて、最初、なんとなく様々なテクニックを駆使して、いかに相手に勝つかを研究するのかと思ったが、話を伺っているうちに、認識が180度変わった。

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交渉学って?

自分なりに一言(にしては長いが)で要約すると、「勝ち負けにこだわるのではなく、共通の利益に着目し、対話を通じて合意に導く」、そのための理論。経済学的には、パレート改善、交渉学の権威・故ロジャー・フィッシャー教授の言葉では「賢明な合意」と言うのだそうだ。

もちろん、いわゆる交渉術と言われるようなテクニックはたくさんあり、心理学的な説明もできるのだが、それもテクニックを知らない相手にだけ通じる話。場合によっては、信頼を失うことにもつながってしまう。

 

交渉を結果を左右する大事なこと

では何が必要か。ちょっと意外だったが、それは交渉前の準備とのこと。そのステップは、

  1. 相関図を描く
  2. ミッションを確かめる
  3. 達成目標を定める
  4. 付帯条件を与える
  5. 撤退案を用意する

うーん、なんだかとても基本的なことのような。。。

ただ、身近な簡単なケースで考えてみる(例えば、何かを購入する)と、その重要性が良く分かる。例えば、自分や相手、さらにはその背後にいる人たちのことを知らなければ、この交渉がどのような位置づけにあるのか分からない。また、ミッション(交渉で何を実現するか)を決めておかなければ、何のために交渉するのか分からなくなってしまう。達成目標や付帯条件は、戦術的な要素もあるが、ゴールの設定とゴールに達するために出せる提案を考えること。

私にとって気付きがあったのは、撤退案を用意すること。なんとなく交渉に入ってしまうと、合意しなければと思いがちだが、撤退した時の代替案を考えると、決裂しても何とかなると、気が楽になったり、逆に、代替案がほとんどなく、その交渉の重要性が再認識されたりする。

 

賢明な合意のための秘訣は?

ここで本題。「事前準備の重要性は分ったが、あえて一つ、交渉の秘訣を挙げるとすれば何か?」

それは、ミッションについて深く深く考えることに尽きるのだそうだ。自分は何のために交渉するのか、交渉によって実現したいことは何か。

仮に合意に至っても、そもそもの交渉の目的を達していなければ、それは意味のないこと。また、交渉の最中で決断を迫られた時に、何を拠り所にすべきものでもある。ミッションが深いレベルで定まれば、後で後悔するような結果にはなりにくいとのことだった。

なんだかとても普遍的なことのような

相手のいる交渉でなくとも、日常で自分が何かを<判断>する時も同じことのような気がする。と、書きながら、なかなかそれを意識しながら判断したことはないのだが(毎回してたら疲れちゃいそう)、人生の一大事のような場面で決断する時は、やっぱり最後に行き着くの自身の価値観のような極めて本質的な部分だったりする。

 

気が楽になった言葉

さて、私はこれまで交渉事が好きと感じることはあまりなかった。気が詰まるというか、プレッシャーを感じるというか、、、反対意見を言われると責められているみたいだし、、、

それに対しては、次のような言葉をいただいた。

「交渉とは対話であり、意見が異なることは当たり前のこと」

「最終的に自分がYESと言わなければ、相手も合意できない」

そう、意見に違いがなければ、交渉は必要ない。だから、反対意見を言われても、別に悪く思う必要もない。そして、どんなに厳しい要求をされたとしても、自分が飲まなければ合意には至らない。

そう思えただけで、交渉があまり重苦しいものには感じられなくなった。

 

ということで、結論:備えあれば憂いなし

 

そして、買ってしまった。岩瀬大輔さんによる翻訳もあるようだ。

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