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不安な未来に向き合うための賢人の知恵

「私たちは、一人で立ち向かうのではないと知っている限り、未来に恐れずに立ち向かえるのです。だから未来の「あなた」のために、一緒に未来の「私たち」を強くしていきましょう」

 

ラビ・ジョナサン・サックス卿は、TEDでの講演で、そう締めくくります。

 

こんな講演です

 「今こそ、人間の魂を試す時である」

トーマス・ペインの言葉を引用したラビは、西洋が歴史の運命的な瞬間を迎える中、その変化のペースに、人々が大きな不安を抱えていると紹介します。

そして、その背景には、現代社会が崇拝する「自己、自分、私」があると。自己啓発に関する本、個人の権利を大事にする政治、そして、「セルフイー(自撮り)」、、、自己崇拝は、自由と力を与えてくれますが、人間は生物学的には社会的な動物です。人と人との交流を通じて、利他主義や忠誠心、友情などを育んできました。

 

そこで、ラビは、この不安な未来に向き合うために、3つの側面から「私たち(Us)」を高めることを提唱します。

 

一つ目は、「関係性における私たち(The us of relationship)」です。ラビは、学生時代に出会った全くタイプの違う女性、エレインと結婚します。ラビは、それを人生で最良の選択だったと振り返ります。それは、私たちを成長させてくれるのは、自分とは異なるタイプの人たちだからです。

 

2つ目は、「アイデンティティにおける私たち(The us of identity」です。移民国であるアメリカは、自らのアイデンティティを確立する必要がありました。しかし、他の西洋諸国と同じように、自らのアイデンティティの物語を語ることをやめてしまいました。ちょうどその時、アメリカへの移民はこれまで以上に増えていました。これらが重なり、私たちのアイデンティティは脆くなり、他人に脅威を感じるようになってしまいます。

 

3つ目は、「責任における私たち(The us of responsibility)」です。アメリカの憲法の前文にある「We the people」というフレーズがあります。これは、私たちみんなの未来に対して責任を共有していることを端的に示しています。強いリーダーがすべてを解決してくれるのは幻想に過ぎません。私たちを救えるのは、私たちだけです。

 

雑感など

この講演を聞き、ふと疑問に思ったことがあります。

自分にとっての「私たち」とは何だろうか。

家族や仲の良い友人たち、学校、職場、地元、あるいは日本。

私が留学していた時、それまで外国人だと思っていた中国や韓国の友人たちが「アジアの私たち」になりました。

もしかしたら、実感をもって「地球の私たち」と言える人もいるのかもしれません。

それぞれの「私たち」が「私」を形づくり、「私」もまた「私たち」を形作っている。 

そう思うと、何だか心が温かくなります。

 

 

 

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